ベトナム投資法2025の新制度:外国投資家はIRC取得前に会社設立が可能に
2025年投資法により、外国投資家はIRC取得前にERCを取得してベトナムで会社を設立できるようになった。本記事では、新制度の概要、12か月以内のIRC取得期限、提出書類の不整合、実務上の留意点を解説する。
前回の記事では、2026年3月1日から施行されるベトナム投資法2025における注目すべき改正点として、外国投資家が投資登録証明書(IRC:Investment Registration Certificate)の取得に先立ち、企業登録証明書(ERC:Enterprise Registration Certificate)を取得し、ベトナムにおいて経済組織を設立することが可能となる点について解説しました。
ただし、この場合であっても、外国投資家はERCの取得手続を行う段階で、ベトナム法上要求される外国投資家に対する市場アクセス条件を満たす必要があります。
01 - 新制度におけるIRC取得の期限
新制度では、ERCを先に取得し、その後にIRCを取得することが認められることにより、従来の投資手続の流れは一部逆転することになります。2026年3月31日から施行される政令96/2026/ND-CPによれば、投資家は、プロジェクトを適法に実施するため、ERCの発行日から12か月以内にIRCの取得手続を完了しなければなりません。ERCを取得できても、IRC取得手続を完了できなかった場合の処理メカニズムについて、現時点では法令上明確な規定は設けられていません。
02 - 提出書類に関する規定間の不整合
2020年企業法によれば、外国投資家が設立する企業については、企業登録申請書類の中にIRCを含める必要がありますが、2025年投資法では、IRCを取得していない段階でも企業を設立することが認められています。この規定の不一致により、企業登録機関・企業双方に実務上の混乱が生じています。
03 - 国家機関による問題解消のためのガイダンス
2026年4月29日、財務省は公文書5427/BTC-DNTNを発行し、新制度を適用する場合の企業登録申請書類についてIRCの提出を要求しないことを明確にしました。
04 - 新制度の実務上の適用状況
現時点でサービス業・商業分野の一部の外国投資家がこの新制度を適用しており、早期の法的プレゼンス確保を目的としていますが、多くの投資家は依然として従来の方法(IRC先取得)を選択しています。
05 - 重要な留意点
ERCが先に発行されても、それは投資プロジェクトの実施が直ちに認められることを意味しません。また、外国投資家による定款資本の払込期限(ERC発行日から90日以内)とIRC取得期限(12か月以内)のギャップにより、DICA口座開設ができないまま出資義務が発生するリスクがあります。
06 - 提言
新制度はすべての場合に適用できる一般解決策ではなく、プロジェクト内容の明確さやIRC取得の見込みに応じて慎重に選択すべき選択肢です。投資家は実施に先立ち法務コンサルティングを参照することが推奨されます。