Case Study NO.5|ベトナムにおけるLive Commerce活動の実施
ベトナムにおけるLive Commerce(ライブコマース)を合法的に実施するための法的留意点、関連ライセンスの要否、実務スキーム、規制当局の運用などを、現地弁護士が具体例を交えてわかりやすく解説。オンライン販売の拡大を目指す日系企業にとって必読の実務ガイドです。 弁護士法人NEXORA(NEXORA LAWFIRM)は、ベトナムにおけるEC・SNS活用型販売、広告・宣伝活動に関する各種支援実績を有しており、事前スキームの立案、関連契約の整備、外資規制の判断、リスクマネジメントを包括的にサポート。最新の運用動向に基づくアドバイスに定評があります。
ベトナムでのLive Commerce(ライブコマース)実施時に知っておくべき法的ポイントを徹底解説! 本記事では、外国企業がモール公式アカウント等でライブ配信を行う場合の広告規制・外資規制・商品仲介業登録・ライセンス取得・手数料請求の合法性 などを、ベトナム法に基づいて詳しく分析します。Live配信×EC×越境販売の実務対応に役立つ実践的ケーススタディです!
01 - 事案の概要
XXX社は、ベトナム国内のショッピングモールにおいて、多数のテナントを誘致・運営しております。現在、同社はテナントの売上拡大支援の一環として、**Live Commerce(ライブ配信による商品紹介・販売)**をFacebookやモール公式サイト上で展開することを検討しております。
このスキームでは、XXX社の自社アカウント上で、テナントの商品・サービスが紹介され、視聴者(消費者)から直接注文・購入に至る構造となります。
この場合、以下のような外資規制・ライセンス・テナントへの請求可能性などの法的問題が想定されました。
02 - ベトナム弁護士による法的助言
▶ 法的論点①:Live Commerceは「広告サービス」に該当するか?(外資規制の観点)
ベトナムでは、WTOコミットメントにおいて「広告サービス」が外資制限対象分野に含まれております。
しかし、広告法(No.16/2012/QH13)は、「広告主」「広告出版者」「広告サービス提供者」を明確に分類しており、外資規制の対象は基本的に「広告サービス提供者」に限定されると解されております(法第2条6項、14条)。
✅分析結果:
XXX社が行うLive Commerceは、自ら制作・配信するのではなく、テナントが作成した広告動画をFacebook等に掲載する行為にとどまります。よって、これは広告法上の「広告出版者」に該当し、広告サービス提供者ではないと評価されます。
したがって、XXX社のLive Commerceは外資規制対象とはならないと考えられます。
▶ 法的論点②:Live Commerceに必要なライセンス(仲介業登録)
Live Commerceでは、XXX社がテナントと消費者の間に立って商品売買を媒介(仲介)する構造となっており、「商品売買仲介業」としての登録が必要になります。
政令No.09/2018/ND-CPにより、外国投資家であっても商品売買仲介業の登録は可能です。
✅必要な手続:
IRC(投資登録証)上の投資目的の追加
ERC(企業登録証)上の事業登録
個別ライセンスの取得
▶ この登録を経れば、XXX社は合法的にテナントと消費者の間でLive Commerceを展開することが可能です。
▶ 法的論点③:テナントへの手数料請求の可否(法的根拠)
仲介業登録を行った場合は、Live Commerceに関する「仲介手数料」や「利用料」として、テナントに対して請求を行うことが可能です。
一方で、登録を行わない場合には、仲介サービスの提供行為に対する請求が法的根拠を欠くため、請求が否定される可能性がございます。
✅弁護士の提案:
将来的な事業スキームの柔軟性確保と収益構造の健全化のためにも、商品売買仲介業の登録を早期に行うことが望ましいです。
請求書・契約書上も、明確に「仲介業務対価」として位置付けることで、税務・会計上のリスクを低減できます。