ベトナム不動産分野における外資規制
日本国及びベトナム外国弁護士
盛 一也同事務所最高顧問(日本法)
弁護士法人NEXORA 代表弁護士
ベトナム国弁護士
和解調停人・破産管財人・社外監査役
目次
01 - 概要
02 - 不動産分野における主な外資規制
ベトナム不動産分野における外資規制の現状を、投資形態別(間接投資・直接投資)、開発目的別(住宅・工業団地・商業施設など)に分けて整理。外資規制の法的根拠や最新の実務動向を、ベトナム人弁護士がわかりやすく解説します。 弁護士法人NEXORA(NEXORA LAWFIRM)は、不動産開発・賃貸・売買・プロジェクトM&Aなど多様な不動産案件における外資対応を多数支援してきた実績があり、ライセンス取得・契約スキーム構築・当局との交渉まで一貫して対応可能です。不動産実務に精通した専門チームが、貴社の進出を強力にサポートします。
01 - 概要
不動産事業は、ベトナムがWTOに加盟した際のコミットメントには定められていませんが、国内の法律(不動産事業法や住宅法等)により、以下のとおりに外国投資家に開放されています。
外国投資家(外資100%企業)でも、ベトナムにおいて、不動産事業を展開することができます。しかしながら、不動産事業は条件付きの投資分野であるため、以下の条件や制限が適用されます。
※不動産事業とは、不動産開発、不動産賃貸・売買事業、不動産仲介等を含みます。
外国人や外資系企業は、条件を満たせばベトナムで不動産(使用権)を保有できます。
02 - 不動産分野における主な外資規制
2‐1
土地の使用権の取得に関する条件
外資系企業は、ベトナムでの土地使用権を容易には、取得することができず、住宅建設やオフィス・ショッピングモール等といった建設投資プロジェクト(いわゆる不動産開発投資プロジェクト)を通じてのみ取得することができます。
2‐2
住宅の所有に関する条件
所有できる対象の住宅:商業住宅建築のプロジェクトで建設される共同住宅および/または個別住宅でなければなりません。かつ、当該住宅は、治安維持及び国防に関連する地域に属さない地域に所在していなければなりません。
所有できる軒数の条件:外国投資家が所有する住宅が総軒数の30%を超えることができず(共同住宅の場合)、プロジェクトごとによる個別住宅の総軒数の10%を超えることができず、また、最大250軒を超えることができません(半戸建住宅、個別住宅、別荘を含む個別住宅の場合)。
所有期間:最大50年間です。満了した後に延長することが可能です。
2‐3
不動産事業を行う場合の条件
前提として、不動産事業をするには、ベトナムでの現地法人を設立する必要があります。なお、最低資本金の要求はありません。
取引の対象となる不動産
不動産事業の範囲
a. 住宅、建物
· 転貸目的の賃借
b. 国家から割り当てられた土地
· 売却、賃貸、買受特約付賃貸を目的とする住宅建設投資
c. 国家から賃借する土地
· 賃貸を目的とする住宅建設投資
· 売却、賃貸、買受特約付賃貸のための建物建設投資
d. 工業団地、工業クラスター、輸出加工区、ハイテクパークにおいて、賃借する土地
· 土地使用目的に適正に従った事業を営むための建物建設投資
他の事業内容について
e. 売却、賃貸、買受特約付賃貸を目的とする住宅、建物の建設投資を行うための投資家の不動産プロジェクトの全部又は一部の譲受
2‐4
不動産サービス業を行う場合の条件
① 前提条件として、現地法人設立の必要があります。
② 不動産仲介サービスを運営する組織・個人は、不動産仲介実務証明書を有する者を少なくとも 2名、有さなければなりません。
③ 不動産取引所を運営する企業は、不動産仲介実務証明書を持つ者を少なくとも 2 名、有さなければなりません。また、不動産取引所の管理者・運営者は、不動産取引実務証明書を有さなければなりません。